「水の音原風景」韓国プロジェクトでは、韓国の川や海、そして、水をテーマに「音」という視点から川と私たちの命や文化とのつながり、森と川と海とのつながりを実感いただき、国境を超えた水のつながりの大切さを実感いただだけるよう、文化と環境をテーマとしたコンサート及びアートコラボレーションを実施しました。
日本の伝統文化はシルクロードや中国、朝鮮半島から日本海を通じて伝来してきたと言われています。
韓国での実施では、日本の自然に育まれた伝統楽器により「水」や「森」の姿を描き、日本と韓国が共に大切にしなければいけない自然環境や伝統文化について感じていただくための文化芸術交流を行ないました。
2005年は世界的に注目されているソウル市の清渓川復元事業の完成年にもあたり、地球規模の水のつながりを感じていただけることを目標に実施いたしました。
環境アーティスト・三木祥子さんの作品と、東明美さんの藁筆や藁のアートを展示。
地球環境をテーマに作家活動を行う。その作品のコンセプトは“EARTH - 地球の真ん中にすでに『ART』がありました!”(There is "ART " on the middle of the planet!)
今回の作品タイトルは「eARTh #75〜#100」(25点の作品)で、「水の音原風景」プロジェクトのテーマに沿って「水の波紋」を絹と麻の布に描いたもの。
稲藁を束ねたわら筆を中心とする作品。御飾りなど日本の伝統的なお正月飾りを現代アートとして再現したものも同時に展示。わら筆の中には「わら筆空芯(くうしん)」という名前の作品があり、指をわらの中に差し込み、筆を持つことができない方にも筆で書くことができるものもあります。
尺八、箏、鼓(小鼓、大鼓)の楽器解説、および日本の自然から生まれた楽器の体験。
藁筆づくりの体験や韓国・国民大学校造形大学・視覚デザイン学科教授Hoseob Yoon氏の環境アート体験なども同時に実施。
自然をテーマとした日本の伝統楽曲から、「水の音原風景」のオリジナル楽曲を尺八、箏、鼓(小鼓、大鼓)によって演奏。コンサートの前半では楽器の解説なども行ないました。
演奏曲は、日本の伝統楽曲として「鹿の遠音」、「春の海」。「水の音原風景」のオリジナル楽曲は、「濤声(とうせい)」、「月下流水(げっかりゅうすい)」、「飛沫(ひまつ)」で、地球の水や自然を描いたものを演奏しました。
舞台美術は環境アーティスト・三木祥子の紙の灯り作品と、Hoseob Yoon氏と平野雄介氏のアイデアにより東明美の藁筆を天井から雨のように降り注がせました。
藁筆は前日のワークショップで作っていただいた作品も使わせていただき、ワークショップ参加者がコンサートに舞台美術として参加するというコラボレーションを行いました。