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水の音

「水の音を聴く」

「雨音」、「せせらぎ」、「波音」。
さまざまな「水の音」に感じるやすらぎは、何だろうか?
・・・そんな単純な疑問から、幾つかの試みが始まった。
水の惑星、地球。水が育む豊かな生命。
私たちも、母親の羊水という水の中で育まれてきた。
水の音は、地球の音、そして、命の響き。
そんな水の音に耳を傾けてみましょう。

水の音を感じる文化

日本人は古くから日々の営みが自然と密接に関っていました。衣食住、生活の全ての分野において自然の恵みを享受し、感謝し、自然とともに生きてきました。四季の移り変わり、自然の彩りの豊かな日本では、虫の声といったものまでも一種の音楽となり、風や水の音など、自然の音を愛でる文化が育まれてきました。

水琴窟
蹲(つくばい)の水音
品川歴史館の水琴窟
「水琴窟」は、水の音を楽しむ文化の代表。庭の手水鉢や蹲(つくばい)などの周りに瓶を埋め、その中に水滴を落としてその反響音を楽しむもの。江戸時代に庭園のしつらえとして扱われ、明治時代に至って盛んに取り扱われた。その流れ落ちる水音は妙なる琴の音を響かす。
東京都内で水琴窟の音を気軽に聴けるのは品川歴史館(品川区大井6-11-1、TEL:03-3777-4060/JR大森駅山王北口下車徒歩10分)
右写真の下部に見える穴から水滴が地中に埋められた瓶に落ちる。ここでは、竹筒を耳に当てその音を聴く。観覧料100円で、品川や東京の歴史も見学できる。
鹿威し(ししおどし)
懸け樋などで水を引いて竹筒に注ぎ入れ、一杯になると重みで反転して水を吐き、元に戻るときに石などを打って音を発するようにした仕掛け。元々は農家で猪や鹿をおどすのに用いられたが、現在では日本庭園のしつらえの一つとして使われている。「添水、僧都(そうず)」とも言う。
枯山水(かれさんすい)
日本庭園には水音を生む様々な意匠が使われています。実際の水を用いて瀧や川など自然のダイナミズムを庭に表現したり、水を使わないで瀧や流れを表わす庭、枯山水などがあります。石で瀧を表わし、白砂で流れを表わす枯山水は、聞こえない水音に耳を傾けているのかも知れません。
茶の湯
「茶の湯」の水音の代表は、釜にたぎる湯の音。利休居士は、湯のたぎる相(すがた)を非常に大事にされたそうです。湯のたぎる最適な湯相の音が、松に吹く風の音に似ていることから「松風」としました。静寂な茶室に心閑かに坐り、湯のたぎる音に松風を聴く。茶?に汲み入れる湯に筧(かけひ)の音を思わせ、茶筅通しに谷川のせせらぎを覚える。自然と一体となる心を持ちたいものです。
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水の音楽

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