ウォーターネットワーク :ホーム >  水と文化 > 

和の音

水の豊かな国、日本。
日本の伝統文化はこの豊かな水によって育まれてきたといっても過言ではないでしょう。世界の年間平均降水量の約2倍にも達する豊かな雨は、国土の7割にもおよぶ森を育て、日本の「木の文化」を生み出してきました。

日本の伝統楽器には様々な自然素材が使われています。尺八は真竹、筝は桐、鼓は桜の木。
尺八は竹林を吹き抜ける風の音をもって良しとするように、自然の素材から生まれた伝統楽器は、その音色も自然の音を映し出しているのではないでしょうか。

尺八は適度な湿気を好む楽器で、管(竹)の内側には漆が塗られ、この漆は湿気を吸って硬くなり竹という素材を支えています。小鼓(こつづみ)は皮に湿気を与えて深みのある響きを生み出しますが、大鼓(おおつづみ)は演奏の前に皮を焙じて乾燥させることにより「カーン」という澄んだ高い音を生み出すことが出来ます。
伝統楽器と水の微妙な関係、これが和の音楽を支えています。

そして、日本の伝統文化に共通している「間」。
野外で和楽器の演奏を聴くと、ふと音がなくなった「間」の瞬間に、風の音や木の葉のそよぐ音、鳥のさえずり、川のせせらぎなど、普段はやり過ごしてしまっている音に気付かされます。

このように日本の伝統音楽は、自然との一体性の中にその本質を見ることが出来ます。しかしいま、美しい水が失われつつあるように、日本の伝統音楽も日常生活の中から馴染みのないものになりつつあります。
失われつつある「水」と「和の音」。そして自然と文化・生活とのつながり。
こうしたことを次の世代の子供たちに伝えてゆくことは出来ないだろうか、和の音楽と自然の音を通じて感じてもらうことは出来ないだろうか、これがウォーターネットワークの願いです。

このページの一番上へ